スキルや経験が重要視される世の中
現在の社会事情を考えてみた場合、資格というものの意味が変わってきています。
以前は、資格を活かして仕事をするということは当然のようにとらえられていました。
ところが、現在は資格よりも経験を求めたりすることがあります。
特に顕著なのはIT系でしょう。
では、本当に資格がいらず、スキル形成とキャリアという経験だけでいいのかということを考えていかなければいけません。
なぜ、資格が軽視されるようになったのかといえば、資格を必要としない職種が伸びてきたからです。
その陰に資格があるということは、無視されていることも問題であるということに気がつくべきでしょう。
たとえば、介護の現場では、資格はいりません。
それ以上に人手が足りないのです。
IT業界では、資格を取るぐらいなら経験のほうが重要といいます。
ですが、採用してみたらその経験も実績も役に立つものではなく、お互いで失敗したということは、山ほど起きている現状も忘れてはいけません。
経験は自己申告であるという不幸
資格というものは、最低限の能力の担保であるといえます。
これは弁護士資格のようなものでも同じです。
資格を持っているから、すべてのことができるのではなく、その範囲のことが最低限度できる保証にしかなりません。
だからこそ、経験を重視するのです。
ところが、経験は自己申告でしかありません。
成果物を見せたとしても、それがいつ何時どれぐらいでできたのか、環境はどうだったのかはわからないのです。
介護の業界に目を移したとき、資格はいらないといって、看護師の存在を否定できるのかといえば、すでにできなくなっています。
ケアマネジャーのように、経験を積んで取得し、責任を持てるポジションにつくこともあるでしょう。
こんなポジションに、できますからといって手を挙げた人を付けられるかといえば、そんなことをすれば、双方が不幸になるだけです。
資格をスキルと経験の基礎として
もっと簡単に解釈すれば、資格がいらない社会になったのではなく、資格に対して経験もなければいけない、評価されない社会になりつつあるということでしょう。
資格の取得を通して勉強したことは、マイナスになることなどありません。
これも経験でスキル形成の一つの道です。
お互いを否定するのではなく、さらに大きなものに変えるという意思があって初めて役立ちます。
それでも、スキルや経験は重要なポイントであり、これから先さらに重要視されていくことは確かでしょう。
専門性を高めて生きるのか、それとも総合的な力を付けるのか、どちらにしても資格を基礎としつつ、スキルも経験も身につくようにして行かなければ生き残ることはできなくなるのです。